英国ビジネス - 12月9日

Alexander Marrow　Dimitri Rhodes

英日用品大手ユニリーバ から分離された高級アイスクリームのザ・マグナム・アイスクリーム・カンパニー Mが８日にユーロネクスト・アムステルダム証券取引所に上場し、時価総額は約７８億ユーロ（約９１億ドル）とアナリストらの市場予想を下回った。消費者の健康志向が高まる中で、糖分が多いマグナムの製品が成功するのかどうかに一部の投資家が懐疑的になっていることが背景にある。

マグナムが新規株式公開（ＩＰＯ）目論見書を公表する前に、バークリーのアナリストらはマグナムの時価総額が１０１億―１０８億ユーロ、株価は１株当たり２０ユーロ超になると予測していた。

上場初日の８日はインデックスファンドによる売りに押され、株価は１株当たり１２．８ユーロ程度でおおむね推移。調査会社モーニングスターによると、マグナムの株価は低迷した初値からやや回復し、５日に設定された基準価格をわずかに上回って取引を終えた。この基準価格は、２０２５年の調整後の利払い・税・償却前利益（ＥＢＩＴＤＡ）予想の約８倍に相当する。

週明け欧州株式市場は小幅に続落して取引を終えた。財政への懸念から長期ゾーンの国債が世界的に売られ、ドイツの３０年債利回り (DE30YT=RR)が２０１１年以来の高水準を付けたことなどが相場の重荷となった。９、１０両日に開かれる米連邦準備理事会（ＦＲＢ）の金融政策会合を控え、投資家には慎重姿勢が見られた。

欧州中央銀行（ＥＣＢ）のシュナーベル専務理事は、次の政策変更が利上げになる可能性があると発言した。金利上昇への懸念から、ＳＴＯＸＸ欧州６００種不動産株指数 (.SX86P)は１．７６％安だった。

自動車・部品株指数 (.SXAP)は０．９３％下落。投資判断の引き下げを受け、イタリアの高級車メーカー、フェラーリ は３．５％安。

フランスの化粧品メーカー、ロレアル は２．０％安。スイスの化粧品企業ガルデルマ への出資比率を倍増すると発表。ガルデルマは１．０％上昇した。

ウクライナ情勢を巡り、フランス、ドイツ、英国の首脳はウクライナ大統領への強い支持を表明した。工業株指数 (.SXNP)は０．５６％、航空宇宙・防衛株指数 (.SXPARO)は１．５１％それぞれ上昇。ドイツの防衛機器ラインメタル は３．６％高、レンク は５．５％上昇した。

ドイツの製薬・化学大手バイエル は投資判断の引き上げを受け、４．７％高だった。

週明けロンドン株式市場は続落して取引を終えた。主要国の金融政策を見極めたいとして、投資家に慎重な姿勢が強まった。中型株で構成するＦＴＳＥ２５０種指数 は０．６５％下落した。

ＦＴＳＥ３５０種住宅建設株指数 (.FTNMX402020)は３．１８％安。シティグループが目標株価を引き下げたことを受けて、住宅建設大手バラット・レッドロウ は４．０％下落した。

アイスクリーム事業の分離上場が完了した日用品のユニリーバ は２．０％安。

１０日に発表される米連邦準備理事会（ＦＲＢ）の金融政策への関心が高く、物価や雇用情勢を巡り当局者の間で意見が割れている。市場では２５ベーシスポイント（ｂｐ）の利下げが決定されるとの観測が強い。

イングランド銀行（英中央銀行）は来週、政策金利を２５ｂｐ引き下げ、３．７５％にすると予想されている。増税を巡る懸念から１１月の英雇用市場は低調が続いたことが調査で示された。

Jessica DiNapoli

ユニリーバ は、月曜日にバーモント州を拠点とするマグナム・アイスクリーム部門を分離独立させる予定である。

消費財コングロマリットの長年の一部門であるマグナムは先月、内部調査の結果、アヌラーダ・ミッタル会長は「もはや務めるべき基準 を満たしていない」と述べた。

マグナム Mは月曜日にユーロネクストに上場する予定で、ユニリーバとベン＆ジェリーズの間で深まっている企業間の確執を引き継ぐことになる。

ミッタルも評議員を務める米国の非営利団体ベン＆ジェリーズ財団の監査で、財務管理とガバナンスに不備があることが判明した。ミッタルは、リンクトインのプロフィールによると、2018年からベン＆ジェリーズの独立理事会の議長を務めており、財団のウェブサイトによると、2012年から財団の評議員を務めている。

理事会を「弱体化」させる試み

「いわゆる財団の監査は、私の信用を失墜させるために仕組まれた、でっち上げの調査でした」とミタルは声明の中で述べ、辞任はしないと述べた。「これは単に会長である私への攻撃ではないことを理解することが重要です。ユニリーバが取締役会の権威そのものを貶めようとしているのです」。

ミッタルは、2000年のベン＆ジェリーとユニリーバの合併契約において取締役会に与えられた社会的使命と製品の品質責任を尊重し、会長としての役割を遂行していると述べた。

「これは個人の問題ではなく、マグナム・アイスクリーム・カンパニー全体における優れたガバナンスの原則と実践の一貫した適用に関するものです」とマグナムは月曜の声明で述べた。

マグナムは、監査はユニリーバからの分割に備えて実施されたと述べた。

ユニリーバによると、監査はグッドガバナンスの問題として要請されたものであり、マグナムは監査結果を受けて適切な措置をとっているという。

マグナムは単独で世界のアイスクリーム市場の約5分の1を占めることになる。同社は有価証券報告書で、ベン＆ジェリーズの行動は風評被害、ボイコット、投資家からのクレームにつながる可能性があると警告している。

ベン＆ジェリーズの独立委員会は、ブランドの社会的使命を守ることを目的としている。一方、米国を拠点とする別の非営利団体である財団は、プレミアムアイスクリームの販売量に応じて、同社から数百万ドルの寄付金のみを受け取っている。

長年の衝突

理事会は近年ユニリーバを2度提訴しており、最近ではガザに関する声明をめぐって親会社から検閲を受けたと訴えている。ユニリーバは、このブランドが極論的なトピックに関する一方的な擁護に発展したと述べている。

財団の評議員会は別の声明で、監査の「中心的な未解決の問題は、ユニリーバ／マグナムがアヌラーダ・ミッタル氏を財団評議員から解任するよう要求していることである。

マグナムとユニリーバは、契約上の義務や監査への協力にもかかわらず、財団への資金提供を保留し続けているという。

マグナムは2025年に向けて財団に全額資金を提供しており、管理委員会が提起したガバナンスの問題に対処するのであれば、今後も資金を提供する用意があると述べた。

独立委員会の顧問弁護士は、ベン＆ジェリーズ財団のガバナンスは20年以上変わっていないと付け加えた。

「ユニリーバは20年以上もの間、何百万ドルもの資金を支出していながら居眠りをしていたか、あるいは下心があるかのどちらかだ」と述べている。

英国のFTSE100 CURRENCYCOM:UK100指数は、先物 が0.02％下落し、月曜日はほとんど変化なく始まると見られている。

* スミス・アンド・ネフュー：スミス・アンド・ネフュー は、2025年のフリーキャッシュフロー予想（）を約8億ドルに引き上げ、月曜日のキャピタル・マーケッツ・デイ・イベントに先立ち、新たな中期目標を発表した。

* アングロ・アメリカン：アングロ・アメリカン は、テック・リソーシズ との合併に関する株主投票 、投資家がこの方針に懸念を示したため、執行取締役の賞与を変更する提案を取り下げたと発表した。

* ハーバー・エナジー：ハーバー・エナジー は、生産中のナトゥナ海ブロックA鉱区とインドネシアのツナ開発プロジェクトの運営権益を、石油・ガス会社のプライム・グループ（Prime Group）に2億1500万ドル（）で売却することで合意した。

* バークレイズ：バークレイズ は、英国最大のウェルス・マネージャーの一つであるエブリン・パートナーズの買収（）の可能性を探っており、来週にも入札を行う見通しだと、この件に詳しい3人がロイターに語った。

* MAGNUM ICE CREAM COMPANY：マグナム・アイスクリーム・カンパニー Mの基準価格 は、月曜日に株式市場にデビューするため、1株あたり12.80ユーロ(14.89ドル) に設定された、とユーロネクストは通知で述べた。

* ベン＆ジェリーズ ユニリーバ は、月曜日にバーモント州を拠点とするブランドを含むマグナム・アイスクリーム部門の公開分社化を控え、圧力をかけている。

* トラストパイロット：グローバル・レビュー・プラットフォームのトラストパイロット は、空売り筋のグリズリー・リサーチが報告書で行った の申し立てを拒否し、同社が「明らかに虚偽」と呼ぶ記述に対応するため、あらゆる適切な選択肢を検討していると述べた。

* 雇用市場：英国の雇用市場は、レイチェル・リーブス財務相が11月26日に発表する予算を控え、雇用主が新たな増税の可能性を懸念していることから、先月も引き続き低調だった。

* 商品：金 はドルの軟化に支えられ上昇、原油 は投資家が今週の米連邦準備制度理事会（FRB）の利下げを期待していることから2週間ぶりの高値圏で推移、銅 は史上最高値を更新した。

* 欧州株に影響を与える要因の詳細については、こちらをクリックしてください：[ライブ］

TODAY'S UK PAPERS

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以下はフィナンシャル・タイムズ紙のトップ記事である。ロイターはこれらの記事を検証しておらず、その正確性を保証するものではありません。

ヘッドライン

- ドナルド・トランプ氏、830億ドルのワーナー買収についてネットフリックスの市場シェアが「問題になりうる」と発言

- ロビンフッド、成長著しいインドネシアに進出

- ベン＆ジェリーズの創業者たち、マグナムのボスから「新しい世代に引き継げ」と言われる

- EU、炭素国境税を園芸用具と洗濯機に拡大

概要

- ドナルド・トランプ米大統領は、ワーナー・ブラザース・ディスカバリー を買収するために規制当局の承認を求めているネットフリックス のストリーミング・ビデオにおける大きな市場シェアが問題となる可能性があると述べた (link)。

- 米証券会社ロビンフッド は、グループのグローバル展開の一環として、アジアで最も急成長している市場に参入するため、インドネシアの証券会社 (link) Buana Capital Sekuritasと暗号トレーダーPedagang Aset Kriptoの2社を買収する。

- ベン＆ジェリーズの共同設立者であるベン・コーエンは、ユニリーバ のアイスクリーム・スピンオフのボス、 (link) と衝突している。この対立は、月曜日にアムステルダムで取引が開始されるマグナム・アイスクリーム・カンパニーの親会社からの分割に影を落とす恐れがある。

- 自動車のドア、園芸用具、洗濯機、台所用コンロなどが、EUの炭素国境税（(link)）の対象となりそうだ。12月10日に予定されていた見直しは、約1週間延期される見通しだ。